こんにちは!今回は、ヒンドゥー教の重要なお祭りである「ナワラートリー」についてです。2025年の日程もご紹介します。
ナヴァラトリってどんなお祭り?
「ナワラートリー」とは、サンスクリット語で「九つの夜」を意味する、女神ドゥルガー(別名:ジャガダンバ、デーヴィ)を讃える9日間にわたるお祭りです。年に2回、春(3月~4月頃)と秋(9月~10月頃)に盛大に祝われます。
2025年の春のナヴァラトリ、チャイトラ・ナワラートリーは、3月30日に始まり、4月6日に終わります。
この期間中、人々は女神の様々な側面を崇拝し、繁栄、幸福、そして内なる力を祈願します。
なぜ女神を崇拝するの?
ナワラートリーで崇拝される女神ジャガダンバは、「宇宙の母」という意味を持ち、宇宙の創造、維持、そして変容を司るとされています。私たちに生命を与え、支え、導いてくれる偉大な存在として、深い尊敬と感謝の念を込めて崇拝されるのです。
9日間で讃えられる女神たち
ナワラートリーの各夜は、女神の異なる九つの姿に捧げられます。これらの姿は、女性の成長段階や持つべき徳を表していると言われています。

- シャイラプトリ (Shailaputri): 生まれたばかりの幼い少女の姿。純粋で無垢な存在。
- ブラフマチャリニ (Brahmacharini): 純粋さを保ち、精神的な探求に励む若い女性の姿。
- チャンドラグハンタ (Chandraghanta): 結婚を控え、家庭を守る準備をする女性の姿。
- クシュマンダ (Kushmanda): 妊娠し、新たな命を育む母親の姿。
- スカンダマタ (Skandamata): 生まれたばかりの子供を優しく育てる母親の姿。
- カーティヤーヤニー (Katyayani): 強さと勇気を持ち、困難に立ち向かう女神の姿。
- カールラトリ (Kalaratri): 恐れや暗闇を打ち破る、力強く活動的な女神の姿。
- マハガウリ (Mahagauri): 知恵と導きを与え、人々を正しい道へと導く女神の姿。
- シッディダトリ (Siddhidatri): 成熟し、あらゆる知識や能力を完成させた女性の姿。
これらの九つの姿を順番に崇拝することで、私たちは女性が持つ様々な側面と、それぞれの段階で得られる恩恵を理解し、尊重することができます。
ナヴァラトリをどう過ごすの?
ナヴァラトリ期間中は、以下のような方法で女神を崇拝します。
- 祈りの捧げ: 日常的に祈りを捧げ、女神への感謝と願いを伝えます。
- マントラの唱え: 女神を称える神聖な言葉(マントラ)を唱えます。
「オーム・バグワティヤイ・ナワ・ドゥルガーヤ・ナマハ」は、この期間に推奨される強力なマントラの一つです。11回や108回など、 神聖とされる回数唱えることで、より深い繋がりを得られると言われています。 - 儀式(プージャ)と火の儀式(ヤグナ): 家庭や寺院で、 儀式や火を使った供養を行います。
- 女性への敬意: ナヴァラトリ期間中は、女性は女神の化身と見なされるため、特に敬意を払い、親切に接することが大切にされます。
おわりに
ナワラートリーを通じて、インド文化における女性の存在がいかに深く敬われてきたかを感じることができたと思います。現代社会では女性の権利や地位について議論が交わされていますが、インドの伝統は、そもそも女性を神聖な力の象徴として捉えてきました。
それは単なる権利や平等の話ではなく、生命を生み、育む力そのものへのリスペクトです。この祭りは、女性の持つ本質的な価値を改めて思い出させてくれます。
異なる文化の視点に触れることで、私たちの世界の見方もまた広がっていくのかもしれません。このブログを通して、ナワラートリーについて少しでも理解が深まったなら幸いです。
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